The stray sorcerer -はぐれ魔術師冒険記-

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第4話 無念…! 死する番人、死なざる吸血鬼。

ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…

一歩進むたびに踏み固められた雪が小さく鳴き、そこに人の通った証を残していく。

ここは、ドーンスターから南へ伸びる街道だ。
昨日の午後にリフテンを発ってから、丸半日が経過していた。

「だいぶ遅くなってしまった…。 トランはもう、ディムホロウ墓地か…?」

01番人の間へ

ドーンスターに到着してすぐに、宿屋でトランのことを聞いて回ってみた。
しかし、そこで情報を得ることはできなかった。
どうやら彼はドーンガード砦を出てからどこにも立ち寄らず、直接ディムホロウ墓地へと向かったらしい。

ドーンスターの宿屋にも立ち寄っていないとすれば、時間的にほとんど休息を取っていないはず。
彼の体は、消耗しきっていることだろう。
そんな状態で吸血鬼に挑むなど、命を捨てるようなものだ。 急いで助けに行かなくては…!

「トラン、今行くぞ。 無事でいてくれ…!」










『番人の間、壊滅!』

本日発行の、黒馬新聞号外で、番人の間が壊滅した事件が報道された。
さすがは黒馬新聞。 情報の獲得が早い。

「番人の間か…。 よし、まずはここへ行ってみるか。
 もしかすると、トランがいるかもしれない」

ステンダールの番人である彼なら、ディムホロウ墓地に入る直前に立ち寄っても不思議ではない。
彼に追いつけることを願いながら、街道を急いだ。

02『番人の間、壊滅!』













目指す『番人の間』、そしてディムホロウ墓地は『赤い道峠』を越えた先の、山腹にある。
『赤い道峠』は巨人が住処としているため、旅人はここを避けて通るか、巨人を刺激しないよう静かに通り抜けるのだそうだ。

「あの岩の文様…。 ここが『赤い道峠』だな。
 ここを横切った先の山腹だから…うん、この森を抜ければ見えてくるはずだ」

こんなところで巨人とやりあうのはごめんだ。 俺は地図を広げ、安全なルートを探った。
だが、何やら森の方が騒がしい。 これは、人の声か?

「なんだ? 誰かいるのか…?」

蹴散らされた粉雪が、まるで荒野の砂塵のように立ち上るのが見える。 あれは…!?

03騒がしい赤い道峠

『巨人と山賊が戦ってる!?』

見ると、数人の山賊が巨人に向かって矢を浴びせていた。
首や胸に矢を受けた巨人が、わずかに怯む。

「ギャハハー! 死ねやデカブツゥッ!!」

巨人の様子を見て調子に乗った山賊が、両手剣を振りかぶって突っ込む。
だが、巨人の瞳はその姿しっかりと捕らえていた。

04巨人vs山賊

「ブオオォォォォォォーッ!!」

「パオォォォォォォーッ!!!」

怒り狂った巨人とマンモスが、山賊たちを蹴散らす。
巨人の棍棒が両手剣の山賊を弾き飛ばすと、山賊の体は壊れた人形のように手足が曲がってしまった。
マンモスに踏みつぶされた山賊が立っていた場所には、血だまりと肉塊だけが残った。

「うわーっ! 助けて! 殺さないで…ぐぴゅ…」

巨人に頭を掴まれた最後の一人の山賊が、小さな断末魔をあげる。
ブチ撒けられた山賊の血と脳漿が、巨人の掌から滴り落ちた。

「(正面から突っ込んで勝てる相手じゃない。 …バカな奴らだ)」

だが、巨人は彼らを攻撃することに夢中だったのか、俺の存在に気付くことはなかった。
おかげで俺は峠をすんなりと通過することができたのだった。

俺は、せめて九大神の慈悲と加護がありますようにと小さく祈りを捧げ、その場を後にした。

05バカな奴らだ












「見えたぞ。 あれが『番人の間』だな?」

山腹へと伸びる坂道の先に、建物が見える。
数日前、吸血鬼の襲撃によって壊滅させられたというその場所からは、今なお黒い煙がもうもうと立ち上っていた。

「生存者は…いない、だろうな…。
 とにかく行ってみよう。 トランがいるかも知れない」

俺は、トランがそこに留まっていることを祈りながら、坂道を登っていった。

06煙を上げる番人の間

おびただしい量の血が流れたであろう、雪の上に残された血の跡。
煙を上げる建物にはまだ炎が上がっており、周囲には柱や床が焼けるニオイが広がっていた。

「トランは…いないか…ん? あれは…」

そこにトランの姿はなかったが、納屋に佇む女性の姿に気が付いた。
ブロンドの髪が美しい、若い女性だ。

07誰かいる?

「誰!?」

俺の気配に気が付き、ブロンドの女性がこちらに振り向く。
トランと同じ装備…もしかして、彼女もまたステンダールの番人か?

「俺はシン。 ドーンガードだ。
 ここの近くにあるディムホロウ墓地の調査に来たんだ」
「まあ…。 それじゃあなたは、イスランの? ドーンガード再興の話は本当だったのね…!
 私はシエラ。 ステンダールの番人よ」

シエラと名乗った女性の前には、雪の上に突き立てられた剣があった。
そして、その剣にはステンダールのアミュレットがかけられている。

「たった今、仲間たちの弔いを済ませたところなの…。
 任務中に襲撃の話を聞いて、大急ぎで戻って来たんだけど…着いた時には、この有様だったわ」

シエラは悲し気な表情で、墓標となった剣を見つめた。

「この灰は…遺体を燃やしたのか?」
「ええ。 これは火葬の魔法…炎によって死者を弔う、神聖な魔法よ。
 戦場に放置された遺体を忍びなく思ったアーケイの司祭が、その場で遺体を土に返せるようにと作った魔法なの。
 もっとも、私はアンデッドの復活を阻止するために使うつもりで覚えたのだけどね。
 まさか、仲間の遺体に使うことになるとは思ってもみなかったわ…」
「そうか…」

08仲間の弔いを済ませたところよ

「あ…お花?」

俺はザックの中から花を取り出して墓前に供え、祈りを捧げた。
雪の中でも良く映える、赤い花だ。

「ありがとう。 彼らもきっと喜ぶわ」
「せめて、このくらいはって思ってね。
 俺は今からディムホロウ墓地へ向かうよ。 キミらの仲間のトランが先に行っているんだ。
 イスランが止めたんだけど、彼は一人で行ってしまってね…」
「トランが!?
 なんてこと! どれほどの吸血鬼が潜んでるのかわからないのに、たった一人で行くなんて!」

彼女の言う通りだ。 この場の有様を見れば、彼の行動がどれほど危険かがよく分かる。
彼の行動の裏に、ステンダールの番人とドーンガードとの間にある溝が関係していると思うと、やりきれなかった。

「それなら…私もいくわ。 …いいわよね?」
「…命の保証はできないよ?」
「心配ないわ。 吸血鬼のことなら、それなりに知っているから。
 イスランの意見をみんなは笑っていたけど、私は彼の意見に共感していたから、独自に吸血鬼の研究をしていたの。
 足手まといにはならないわ」
「…わかった。 一緒に行こう」

シエラの強い眼差しを前にして、断ることはできなかった。
共に危険の中へと飛び込むことになったが、彼女を絶対に死なせやしない。
俺は、そう墓前に誓った。

09手向け











「それじゃあ、キミは妹さんのために番人になったのか?」
「ええ。 妹の吸血病を治す手助けをしてくれたのが、当時ステンダールの番人だったイスランなのよ」

ディムホロウ墓地への道案内をしながら、シエラが自分の身の上を話してくれた。
かつてイスランがステンダールの番人であったころ、彼女はイスランの意見に賛同していた数少ない一人だったという。
もっとも、彼女は吸血鬼そのものより吸血病の方が脅威だと思っており、妹を苦しめた吸血病を撲滅する方法を求めて、今でも番人を続けているのだそうだ。

「トランは吸血鬼の脅威には否定的だったけど…大切な仲間よ。
 彼を死なせるわけにはいかないわ。 …あなたの力、かしてくれるわね?」
「…もちろんだ!」
「ありがとう。 あ、そうだ!
 良かったら、あなたにも火葬の魔法、教えてあげるわ。 きっと役に立つはずよ」

10使命を果たしに











「着いたわ。 ここがディムホロウ墓地の入口よ」

番人の間を出てから十数分ほどの場所に、ディムホロウ墓地の入口はあった。
岩肌に洞窟が口を開け、その入り口をかがり火の灯りが照らしていた。

「これは…」

入口の石段に、まだ火の点いた松明が落ちていた。
これはトランのものだろうか? だとすれば、まだ中に入ってそれほど時間は経っていない。
急げば、まだ間に合うかもしれない…!

「…急ぎましょう!」

俺とシエラは手荷物の中に疾病退散の薬があることを再確認すると、洞窟の中へと入って行った。

11ディムホロウ墓地入口

「…人どもも、……らめが悪いものだな。 奴らのアジトで………を…い知らせてやったと……のに」

洞窟に入ってすぐに何者かの声が耳に入り、とっさに身を屈めた。
後ろを振り返るとシエラもまた体を縮めながら、無言でうなずいている。 どうやら聞き違いではないようだ。
この先に、何者かがいる…!

「…れにしても、たった……で来るなんてね。 所詮はこ…つも愚か者よ」
「…ぁ、奮戦はしていたがな。 実際、ジェ……とブレソスはヤツに……立た…かった」
「ハッ! 正直、あの二人には…ンザリしてたの。 …んでくれて……気分よ」

狭い通路に声が反響して聞き取りづらい…。
声は男女が二人分…会話の内容からして今まで誰かと戦っていたようだ。
戦っていたのはまさか…トラン!?
くそっ! 間に合わなかったのか!?

12何者かの声

俺とシエラは息を殺しながら、ゆっくりと通路を抜けた。
通路の先は広い空間になっており、天井から水が流れ落ちている。

「しゃべってばかりで喉が渇いてきた…。 また番人が迷いこんでこないものか…」
「ロキルもさっさとしてほしいわね!
 城に戻ったら、どれほどの間抜けがこの仕事を任されていたのか、ハルコン卿に伝えてやろうかしら!」 
「フゥ…おれはロキルにお前の不実を伝えたくなってきたよ」

二人の男女のやり取りがハッキリ聞こえるようになってきた。
水しぶきの向こうに、人影が見える。

そして、松明の灯りが、敷石の上に転がった『何か』をぼんやり照らしている…

「(あれは…!!?)」

13あれは…

14激戦の跡

「(トラン!!!)」

15無念の死














次回予告
第5話 火葬! 歪んだ魂に、炎の弔いを。

16次回予告:火葬!
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テーマ:Skyrim - ジャンル:ゲーム

  1. 2016/03/18(金) 00:01:00|
  2. スカイリムRP シン
  3. | コメント:5
<<第5話 火葬! 歪んだ魂に、炎の弔いを。 | ホーム | 第3話 準備! 羽根とネズミと疾病退散。>>

コメント

あとがき

仲間の仇を取ろうと、一人ディムホロウ墓地へと向かったトラン。
彼を心配するシンくんは、急いで準備を整えてドーンスターまで追いかけてきましたが…?
いよいよ、ドーンガードのストーリーが動き出します。続きをお楽しみに。(`・ω・´)+

さてさて、今回より『箱庭生活でskyrim』さんのフォロワー『シエラ』さんが登場です。
彼女には『妹の吸血鬼化を治癒しようとステンダールの番人になった』というバックストーリーがあるため、ドーンガード編には最適なフォロワーということで、登場する運びに。
ブロンドが素敵な彼女には、これからどんどん活躍してもらおうと思います!d(´∀`)+

箱庭さんのフォロワーはエロい魅力的なフォロワーがたくさんいるので、これから次々登場するかも?
でも、性欲魔人なあのコがシンくんと出会ったら、今度こそシンくんの大切な何かが失われそうな気がしますw
乞うご期待?(゚∀゚)アヒャ


【追伸】
シエラさん登場を記念して、本日より『箱庭生活でskyrim』をリンクに追加しました。
リンク先は性欲上等の『旧箱庭』ではなく、マイルドになった『新箱庭』となっております。
一応このブログは全年齢対象なので直リンクはできませんが、いろいろとド直球(褒め言葉)な『旧箱庭』をご覧になりたい紳士諸君は、『新箱庭』から移動してくださいね!

当ブログでは、紳士の皆さんを応援しております。(キリッ
そして女性の皆さま、お願いですからそんな目で見ないでください。(ガクブル

アッ!殴らないで!石投げないで!((((;TДT)))
  1. 2016/03/18(金) 00:44:20 |
  2. URL |
  3. シン #-
  4. [ 編集 ]

更新お疲れ様です。
新ヒロインにして2話で話していた関係者の登場ですね。
他の女性が目のやりどころ以前に寒々しくて見てられない格好だったので
久々の露出度の低い清楚な外見のヒロインは心が洗われますお(*´ω`*)
セ○ーナさんたちは気品ある初期装備が映えるお方たちなので、期待大です。

こうして章ごとにヒロインをとっかえひっかe・・・ゲフンゲフン!
もとい、章ごとの仲間を(女性限定で)増やしていくわけですな。(男友達、フロッグ(予定)とジョンドレレくらいしかいないんじゃ)
シン君、本当にホワイトランに寄れなくなるぞ(;^^) 

>女性の皆さまより
スターップ!
あなたはskyrimとその民(女性)に対して罪を犯した!なにか釈明は?
ダンジョン(牢獄)で朽ちてしまえ
身包みはがしてやるわ!
射手!
触らないでよ、この変質者(盗賊)
その指を切り落としてやるわ!
・・・・お前を見ている・・・・
愛しき母、愛しき母よ。あなたの子をお送りください。卑しむべき者の罪は、血と恐怖で清められなければならないのです。
死がお待ちかねよ!
お前は種族の恥だわ!

(列挙してみてあれですが、けっこう主人公も酷い罵声を浴びせられますな。ハッハッハ)

それでは、"Shadow hide you."
  1. 2016/03/19(土) 09:33:54 |
  2. URL |
  3. 隠密100の放浪者 #dvQckJnQ
  4. [ 編集 ]

>隠密100の放浪者さん
はい!第2話コメントで言及していた『有能な関係者』の一人ですね!d(´∀`)+

ドーンガード編ということで、シンくんの傍にはステンダールの番人、吸血鬼ハンター、治癒師といった肩書を持つフォロワーが自然と集まっていくことになります。主に女性ですがw
今後も様々なフォロワーさんが登場予定ですので、どうぞお楽しみに!(A`*)b

ああ、それと露出度?
これからですよ、これから。グヒヒw

【追伸】
>あなたはskyrimとその民(女性)に対して罪を犯した!なにか釈明は?
ございません。マヂごめんなさい。(´;ω;`)
  1. 2016/03/19(土) 10:45:56 |
  2. URL |
  3. シン #-
  4. [ 編集 ]

Nadiaでございます

Nadiaでございます♪( ´▽`)

ギャハハー!死ねやデカブツ!
イカれた山賊の叫びに、思わず笑ってしまいました(≧∇≦)
最後はぐぴゅってw
ちょっと世紀末覇者が入ってたようなw

番人の間ってDCLで無くなっちゃうんですよね(>人<;)
ステンダールの番人は話す事が皆同じだから、襲撃でもない限りあまりイベント的には面白みが無いのでいいのかもしれませんが、NPCが減っちゃうのが残念(>人<;)

あれ?襲われた番人の間にあんな女性いたかな?
って最初思ったのですが、成る程多分創作かな?って。
上手いなぁ意外な所に意外な協力者が!
しかしヤッパリ、シン君は女性運かわ高いような気がしますw
ここにアマメさんがきたら、また面白いことになりそうな...
あああぁイカン!余計な事をw

トランさんお亡くなりに...
この方はたぶん、ロキールさんと同じ運命なNPCなんだろうな(>人<;)

次回も楽しみにしております
(≧∇≦)
  1. 2016/03/24(木) 13:11:45 |
  2. URL |
  3. Nadia #-
  4. [ 編集 ]

>Nadiaさん
巨人vs山賊のイベントは、赤い道峠に初めて訪れた際に必ず起きるイベントのようで、山賊の皆さんが体を張って『巨人ヤベェ』を証明してくれるイベントです。
内容からして世紀末ヒャッハーなニオイが漂う山賊たちなので、『キサマらに、今日を生きる資格はない(キリッ』という感じで受け止めていただければ幸いです。お後が宜しいようでw(・∀・)+

番人の間壊滅は、このDLCを入れたことによる弊害の一つですね。
彼らの出番といえばランダムイベントくらいなんですし、もう少しスポットを当ててあげてもよかったような気がします。番人涙目。(´;ω;`)

そんな彼らの不遇を解消すべく、妹の吸血病を治療するためにステンダールの番人になった、という設定のあるシエラさんをお迎えしました^^
シンくんと言えば『美女』
これはRP的に、物語的に、そしてブログの方針的に欠かせない要素です。 
そう、シンくんの運命には必ずどこかで『女』が関わるのです。 っていうか、関わらせますw(゚∀゚)アヒャ
アマメさんを含む『ホワイトランガールズ番外編』など、フォロワーさんたちの物語もいくらか企んでいますので、再登場の際は全力でご覧くださいネ!(ΦωΦ)+

【追伸】
トラン、死亡確認。
だから一人じゃヤベェって言っただろうに、無茶しやがって…・゚・(つД`)・゚・
でも、次回のお話しで、彼も『ただでは死ななかった』ことが判明します。
彼の名誉のために、せめてもと加えた要素です。 ぜひ、そのあたりにもご注目ください!
  1. 2016/03/24(木) 18:59:04 |
  2. URL |
  3. シン #-
  4. [ 編集 ]

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Author:シン
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