The stray sorcerer -はぐれ魔術師冒険記-

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第5話 火葬! 歪んだ魂に、炎の弔いを。

ボンッ!!

不意に飛来したファイアボルトが、デスハウンドの腹に直撃する。
潤沢なマジカを注がれた強力な火炎がデスハウンドの体を吹き飛ばし、一瞬でその身を焼き尽くした。

「な、何っ!?」
「あそこだ!」

不意を突かれた吸血鬼が、こちらに気付いて剣を抜く。

01先手必勝!

「トランの…仇だッ!!」

俺の怒りに応え、邪を討つ憤怒の化身が閃いた。









「またステンダールの番人?
 自分から私の食事になりに来るなんてね!」
「ちょうどいい。 喉が渇いていたところだ!」」

吸血鬼たちは、狂気を孕んだ叫び声をあげて襲い掛かってきた!
どうやら奴らは、俺を『食料』としか認識していないようだ。 

「人を人とも思わねェか…ッ!!」

高貴な装いとは裏腹に、野蛮さと邪悪に満ちた瞳。
それは、もはや人のそれではなかった。

「アハハッ! 死ねェ!!」

これが吸血鬼というやつなのか?
吐き気を催す邪悪に、もはやかける慈悲はない。
俺は、刃を振りかざして襲い来る吸血鬼に、正面から突っ込んだ!!

02明王の一閃

スカッ!

「なッ!?」

吸血鬼の刃が空を切った。
ヤツの刃が振り下ろされた瞬間、俺は体を捻って刃を避けたのだ。

「…遅いッ!!」

そして、体を捻った勢いをそのままに、明王を横一文字に薙ぎ払った!!

ザンッ!!!










「ガハッ!?」

明王の一閃をまともに受け、吸血鬼の体が石畳に転がる。
いかに強靭な肉体と再生力を持つ吸血鬼といえども、これほどのダメージを受けてはすぐには立ち上がれない。

「ハハッ! お前の血は俺のものだーッ!!」

もう一人の吸血鬼が、魔法を詠唱しはじめた!
赤い光を放つ魔法…あれは吸血鬼が使うという、血を奪う魔法だ。
相手から血とともに体力を奪い取り、場合によっては吸血病を感染させることもあるという、危険な魔法である。

だが、その魔法が放たれることはなかった。

03迎撃ファイアボルト

ボウッ!!

ファイアボルトが吸血鬼の顔面に直撃した!

俺は一人目の吸血鬼を明王で切り伏せた勢いをそのまま利用して、体をもう一度回転させていた。
そのまま、空いた左手で詠唱していたファイアボルトを投げつけるように放ったのだ。

吸血鬼は自ら火球に突っ込む形となり、頭が頭蓋骨ごと燃え尽きてしまった。
いかに吸血鬼といえど、ここまで肉体を破壊されては、復活は不可能だ。









「…後始末だ!」

ボッ!!

胴を切り裂かれて倒れた吸血鬼の背中に炎が放たれる。
死者を弔う癒しの炎…火葬の魔法だ。
俺は、ディムホロウ墓地までの道のりの途中、シエラから受け取った呪文書を読み、この魔法を修得していたのだ。

04火葬の魔法

ボォォ…

超高温の炎が一瞬で吸血鬼の体を焼き尽くし、 灰にしてしまった。

「よし、ぶっつけ本番だったけど、うまくいったな」

アーケイの司祭が作り出したとされる、火葬の魔法。
この魔法は火炎の破壊魔法をベースに、回復魔法と変性魔法をかけ合わせたものだ。
回復魔法の応用で『活動を停止した生物』にのみ効果を及ぼすという発動条件を付け、さらに変性魔法の応用で『対象となったものを瞬時に灰に変化させる』という効果を付加している。

吸血鬼の肉体は、ドラウグルと同じように一定の条件で再生の魔法が発動する。
だが、再生が始まる前にこの魔法を叩き込めば、体を完全に滅ぼすことができるのだ。

05弔いの炎










「トラン…」

ほんの数日前、ドーンガード砦で出会った男が、目の前で息絶えていた。

「バカ野郎…! どうして、俺が来るのを待たなかったんだ…!」
「ごめんなさい、トラン…。 もう少し早くここへ来ていれば、あなたを死なせずに済んだかもしれないわね…」

4人もの吸血鬼を前にたった一人で戦い、そのうち2人も仕留めた彼の働きは、称賛に価するものだ。
俺たちは名誉の戦死を遂げた勇敢なる番人に深く祈りを捧げると、彼の遺体を炎で弔った。

06トラン、死す

「トラン…お前がやるはずだったことは、俺たちが引き受ける。
 あとは任せろ…!」











「見て! あそこにもあるわ!」

トランが戦っていた場所の正面には、墓地の奥へと続く通路があった。
だが、通路は格子戸で塞がれており、先へ進むにはこれを開放しなければならない。

俺たちは格子戸の周辺を探ったが、戸を開ける仕掛けが見つからずにいた。
だが、ここでシエラがあることに気が付いた。
この場所には、ところどころに火の点いた松明が転がっているのだ。

「あの階段の先…部屋があるみたいだ。
 ほら、あの灯りが漏れているところ、窓じゃないか!?」
「そうみたいね! 行ってみましょう!」

そう、この松明はトランが俺たちに残した道しるべだったのだ。
松明を追えば、格子戸を開ける仕掛けか、その手掛かりがあるはずだ。

07トランの残した道しるべ

「あった! このレバーを引けば…!」

予想通り、松明の灯りを追っていった先にはレバーがあった。
レバーを引くとカラクリの動く音が鳴り、格子戸が開く音が響いた。

「よし、これで先へ進めるぞ」
「トラン…ありがとう。 あなたが残してくれた道しるべ、役に立ったわよ…!」

トランは何も怒りに任せて戦っていたわけではなかった。
後から来る仲間が迷わぬように、そして戦いやすいよう、しっかりと準備をしてくれていたのだ。

俺たちはトランに感謝の祈りを捧げると、開放された格子戸を潜り、墓地の奥へと進んでいった。

08格子戸のカラクリ










「(待って! シン、あそこ!)」
「(…!)」

シエラに呼び止められ、彼女が指さす方向を見ると、そこには通路を守る吸血鬼がいた。
幸いなことに、まだこちらには気が付いていないようだ。

「(ここからあそこまで、真っすぐな通路になっているわ。 こっそり近付くのは無理ね…)」
「(…そうだ。 いい手がある。 援護を頼めるか?)」
「(援護を? どうするの?)」

俺は、先日出会った『山賊三連星』の戦い方を思い出していた。

「(へへ…、本当は三人でやる技みたいだけど、細かいことは気にしないっと)」

どうやっても見つかってしまうのなら、見つかっても問題のない方法で攻撃を仕掛ければ良い。
そう、作戦は俺とシエラで行うロケット・ストリーム・アタックだ!

09待ち受ける吸血鬼

ボンッ!

真っすぐな通路へ飛び出した俺は、まずはファイアボルトを放った。
火炎弾の不意打ちを喰らった吸血鬼が怯んだところで、全速力で間合いを詰める。

「熱っ…だ、誰よッ!?」

炎を振り払いながら、吸血鬼が体勢を立て直す。
ダメージは与えられたようだが、さすがにファイアボルト一発では仕留めきれないようだ。

「フン! 愚か者がまた一人、のこのこやってきたわね? さぁ、あんたも私の食事にしてやるわ!」
「そいつは遠慮しておくよ。 それに、俺は『一人』じゃないぜ!」
「何っ!?」

「シンッ!!」

真っすぐな通路の入口から、俺を呼ぶ声が響いた。
吸血鬼がその良く通る高い声に気を取られ、俺から視線を外す。

「…もらったッ!」
「うっ!? しまっ…」

ザンッ!!!

吸血鬼の邪悪な魂を、明王の一撃が断ち切った!

10ロケットストーリームアタック・リバイ

「…よし、あとは…!」
「まだよシンッ! 周りを見て!!」

倒れた吸血鬼にとどめを刺そうと火葬の魔法を詠唱し始めたところに、シエラの叫び声が届いた。
『周り』だって? 

「ッ!? な、なんだ!?」

「ク…クカカ…」

スケルトンだ!
足元の土が動いたかと思うと、土の中から次々と人骨が這い出してくる!

「(しまった、囲まれた!?)」

立っていた場所が悪かった。
俺がいる場所は、ちょうど墓場のど真ん中。 スケルトンたちの中央に、自ら入り込んでしまったのだ!

「やばいッ!」

スケルトンの一体が弓を構えたことに気が付いた俺は、とっさにその場を跳び退いた!

ヒュンッ!

危ない! 俺の目の前を矢が通り抜けた!
矢は紙一重でかわしたが、今度は斧や剣を構えたスケルトンが一斉に跳びかかってくる!

「うおおっ!?」

11這い出すスケルトン

ブウゥゥゥゥン…ッ

襲い掛かるスケルトンたちの前に、紫色の光がほとばしる。
これは…召喚魔法!? シエラか!?

「させないわよッ!」

斧を振りかざしながら、シエラが走り込んできた!
そして、スケルトンたちの前に現れたのは、なんと『氷の生霊』だった!

「キシャァアアッ!!」
「クカカッ!?」

氷の生霊が俺とスケルトンの間に割って入り、そのまま体当たりをしかけた!
周囲を凍てつかせるほどの冷気を受け、スケルトンたちが怯む。

「もう…一回!」

ブウゥゥゥゥン…ッ

隙を見てスケルトンの包囲を逃れた俺の傍に、今度は『ウィプス・マザー』が召喚された!
すごい召喚魔法だ! これほど希少な魔物を…それも、一度に複数を呼び出すなんて!

氷の生霊とウィプス・マザーは、その強力な冷気によって瞬く間にスケルトンたちを氷漬けにしてしまった。
ここまで凍らせてしまえば、スケルトンたちも再生できなかった。

12シエラの奥の手!

「シン、大丈夫?」
「ああ、助かったよ。 それにしても、すごい召喚魔法だね。 こんなに強力なヤツ、初めて見たよ」
「驚いた? 吸血鬼と戦うための切り札なの。
 でも、あなたもやるわね。 吸血鬼を一太刀にするなんて、なかなかできないわ」

互いの予想以上の実力に関心しあい、笑いあった。
未だ交わることのできない組織に属する二人だが、俺たち二人に限っては、そんなことは関係ないようだ。

暁の守護者と、ステンダールの番人。
闇を切り裂く二条の光は、墓地のさらに奥へと進んでいった。

13守護者と番人













次回予告
第6話 激闘! 振り払え、不死者の魔の手。

14次回予告:激闘!
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テーマ:Skyrim - ジャンル:ゲーム

  1. 2016/03/25(金) 00:01:00|
  2. スカイリムRP シン
  3. | コメント:3
<<第6話 激闘! 振り払え、不死者の魔の手。 | ホーム | 第4話 無念…! 死する番人、死なざる吸血鬼。>>

コメント

あとがき

仲間の命を奪った吸血鬼に怒り心頭のシンくん。
明王の強烈な一撃と、得意の火炎の破壊魔法で、吸血鬼を次々となぎ倒していきます。
彼も随分、戦闘に慣れてきましたね!(・∀・。)b+

トランはたった一人で4人と1匹の敵と戦い、戦死しました。
しかし、その状況で二人の吸血鬼を倒していることから、彼の実力は本物であったことが伺えます。
ステンダールの番人は、どうしても『やられ役』が板に着いてしまっていますが、このRPではできるだけ彼らの活躍にもスポットを当てていく予定です。
たとえやられ役でも、ただではやられない強さを描いていこうと思います^^

暁の守護者と、ステンダールの番人。
聖なる炎を胸に秘め、進む彼らの行く先に、どんな敵が、どんな罠が待ち受けているのでしょうか?
次回もまた、いつもより多めに燃えています。

お楽しみに!d(´∀`)+
  1. 2016/03/25(金) 00:43:39 |
  2. URL |
  3. シン #-
  4. [ 編集 ]

Nadiaでございます(≧∇≦)

遂に始まりましたね本格的な吸血鬼との戦い。
トランの無謀とも言える先発はあったものの、後の道標を作ってくれた彼の死は無駄ではなく、その意思はシン君とシエラさんがちゃんと汲み取る事ができたのは幸いでした。
彼の死を無駄にする事なく、果たして目的を達成する事ができるのか!?
二人の肩にはこれから続く多くの難題がのし掛かっていますね(>人<;)
ガンバレェ〜♪

なんと!
二人でロケット•ストリーム•アタック!
なるほど魔法で火玉を先発させ、交わした所へ二撃三撃とは!
最初ちゃんと理解出来なかったσ^_^;
グッドアイディアな必殺技ですな!
しかも咄嗟に以前の敵技をモノにできるとは、シン君の成長を感じずにはいられません(≧∇≦)

急に敵に囲まれても、強力な召喚魔法を使い仲間の窮地に一閃を差し込めるシエラさんもまた素晴らしい!

いやまてよ...アマネさんもいつも先陣切ってシン君を守っていたような。

なんかアマネさんの印象が大きくて、やっぱり男としては大きい方が...いったい何を言ってるんでしょうか?σ^_^;

質問なのですが、あの火葬の魔法というのは、MODなんでしょうか?
SSでうつ伏せで死んでいる吸血鬼に使っているようなのですが。
吸血鬼ってスカイリムじゃすぐ灰になっちゃうから、絵面的に矛盾しているなと思い。
恐らく工夫されたとは思うのですが...どうなんでしょう?
(≧∇≦)
気が向いたらでも教えて欲しいなとσ^_^;
  1. 2016/03/31(木) 02:41:59 |
  2. URL |
  3. Nadia #-
  4. [ 編集 ]

>Nadiaさん
『トランが残した道しるべ』は、バニラの彼の死があまりにも『無謀の末の無駄死に』に見えたので、彼の名誉のために付け加えてみました。
実際、ディムホロウ墓地の石畳には、松明がいくつも転がっており、仕掛けを動かす鎖の場所を照らしているんですよね。
私はこれを『トランが味方のために残した』と解釈し、少しでも彼の死に意味を持たせようと試みてみたのでした。

そして、例の必殺技が、まさかの再登場w
実はこういう場面でこそ有効な戦術だったりするんですよね。
うっかりスケルトンに囲まれてしまったシンくんでしたが、シエラさんのフォローによって無事に突破することができました。

シンくんは距離や場面を選ばないオールラウンダー、シエラさんは強力な召喚魔法がメイン戦力でしが、アマメさんは斧の扱いに長けた近接型のフォロワーさんなので、必然的に前線に立つ場面が増えていたんですね。
また、アマメさんはお色気要員でもあるので、エロいステキな体を披露してもらう場面を増やしていたという背景もあり、前線に出ることが多くなっていましたw
彼女はとても貴重な雰囲気を持つフォロワーさんですので、そのうち必ず再登場します。お楽しみに!

【追伸】
火葬の魔法は、『Dead Body Collision Fix』という死体に当たり判定を加えるMODに含まれる魔法です。
本来の用途は、邪魔になった当たり判定付きの死体を処理する魔法で、今回はこれを転用したわけです。
アンデッドが復活するMOD『Truly Undead - Reborn』によって、倒したアンデッドは何度でも復活してしまいますが、『復活する前に灰にする』ことで、この復活を妨害することができます。

実際、吸血鬼などを一度倒した直後に灰に変えてしまえば、復活のエフェクトが出ず、文字通り『火葬』できます。
ただ、復活エフェクトが発生してから燃やしてしまうと、姿が消えたままの状態で復活してしまい、見えない敵となって襲い掛かってくるので注意です。
  1. 2016/03/31(木) 19:57:37 |
  2. URL |
  3. シン #-
  4. [ 編集 ]

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Author:シン
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