The stray sorcerer -はぐれ魔術師冒険記-

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第20話 変態! 闇に飛び交う、地獄の羽虫。

「ぐあッ!?」

突然、暗がりから何かが飛んできたと思ったら、体に激痛が走った。

ファルマーの罠をやり過ごした俺たちを、今度は魔術師のファルマーによる熱い出迎えが待っていた。
オブリビオンから疑似物質の刀剣を召喚するファルマーに対し、俺は明王を抜いて向き合った。
だが、正面のファルマーに気を取られ、召喚光の影に紛れた伏兵に気付かなかった。

「(これは……か…!?)」

暗がりから飛んできた青緑色の気色悪い液体。
液が触れた皮膚、そして筋肉が激しく痛み、熱を帯びているのが自覚できた。
これは体力減退の毒…! 触れるだけで生命力を一気に奪い、死に至らしめる強力な毒だ。

01体力減退の毒

「ギチギチ…」
「…ッ!」

強烈な痛みで膝をつく俺の前に、暗がりから毒の使い手がその姿を現す。
こいつがシャウラス!
文献でその存在は知っていたが、実物を見るのは初めてだ。

シャウラスはギチギチと不快な音を立てながら、怪しく光る眼でこちらを見た。
その獰猛なアゴを大きく開き、今にも襲い掛かろうとしている…!
まずい、痛みで…体が動かない!!









「シンッ!」

リュシアンが俺とシャウラスの間に割って入り、跳びかかってきたシャウラスの牙を剣で受け止めた!
剣と牙で鍔競り合いをしながら、リュシアンはその大きな体を盾にして、動けない俺を庇う。

「…セオラングっ! あいつを止めろ!!」
「ワンッ!!」

リュシアンの合図を受け、セオラングが前に飛び出した!
俺の横を素早く走り抜けると、そのままファルマーに跳びかかり、片腕に噛みつく。
ファルマーは毒で動けない俺を狙っていたのだ!

「フロッグくん! シンくんをお願いっ!」
「よっしゃッ!」

セオラングの攻撃で動きを封じられたファルマーに、サーシャが矢を放って牽制する。
その隙に、フロッグが俺を後方に引っ張り、解毒剤を投与してくれた。

「よしッ! …うおおおおおおッ!!」

俺を回収したのを確認したリュシアンが雄たけびを上げ、全身に力を籠める。
強靭な筋肉がミシミシと音を立てて隆起し、リシュアンの大きな体がさらに大きくなった!
リュシアンは剣に食らいつくシャウラスの頭を掴み、強引に引きはがすと、そのまま力いっぱい地面に叩きつけた!!

ドガァッ!!!

「バケモノめ! くたばれ!!」

強烈な叩きつけで目を回したシャウラスの頭に、リュシアンは剣を突き立ててトドメを刺した!

「グギッ!? ギァ!?」
「あなたの相手はこっちよ!!」
「逃がさないぞ!」

シャウラスがやられたことに気を取られたファルマーに、サーシャとフロッグの一斉射撃が襲い掛かった!
体中を貫かれ、倒れたファルマー。 その手から、召喚された剣がオブリビオンへと還っていった。

02雄たけび

「シンくん、大丈夫? 無事でよかったわ…」
「うう…ゴメン、油断した…」
「召喚魔法の光で、影に隠れたシャウラスが見えなかったんだなー…。
 解毒剤は…と…、あと11回分だな。 とりあえず一人一本ずつ配っとこかね」
「悪いな、フロッグ…」

フロッグは毒の扱いにも長けているようで、普段から解毒剤を持ち歩いていた。
解毒剤のおかげで毒の影響はすぐに治まり、大事に至らずに済んだのだった。

相変わらず、俺は仲間に助けられてばかりだ。
まだまだ修行が足りないな…。











俺の体の痛みが抜けきるまで、俺たちはこの場で少し休憩することにした。
幸い、この部屋は2か所ある出入り口が狭い通路になっており、何者かが侵入すればすぐにわかる。
奴らに気付かれたとしても、対応はしやすいはずだ。

「うわぁ…ここ、キノコがいっぱいね!」

水筒の水を飲みながら部屋の様子を見まわしていたサーシャが、部屋の奇妙な特徴に気付いて声をあげた。
それというのも、俺たちが戦っていたこの部屋は、足の踏み場がないほどキノコだらけだったからだ。
湿気の多い洞窟だからキノコが多いのは理解できるが…いくらなんでも、この量は多すぎる。

「ん? 何だ? これは…?」

周囲を探っていたリュシアンが何かを見つけ、怪訝な顔をした。

「…ど、どうした? リュシアン?」
「見ろ、このカゴ…中にキノコがぎっしり詰まってるんだ」

リュシアンが見つけたカゴの中には、確かにキノコが詰まっていた。
これは明らかに、人の手で採集したものだ。

「わかった! ここはきっと、ファルマーのキノコ畑よ!
 カゴに詰まったキノコは、ファルマーが収穫したものなんじゃない?」

「キノコ畑…? …ファルマーが、キノコ畑でえんやコラ…? プふッ…w
 あいつら、そんなことできるんかなー?」

ファルマーが丹精込めてキノコを育てる姿を想像して、思わず吹き出すフロッグ。
イメージするとギャグにしかならないが、それ以外には…攫った人を使って採集しているくらいしかない。
どちらにしても、食用などの目的の他に、キノコを育てる理由はないはずだ。

ファルマーがキノコを栽培していたと仮定すると…この奇妙な場所の説明が付く。
信じられないことだが、サーシャの分析が正解なのかも知れない。

03キノコ畑











洞窟の奥へと進む俺たちは、怪しげな形状のテントがある狭い部屋に出た。
部屋に入るなり、テントからファルマーが飛び出してくる。
部屋が狭いせいで逃げ場がない…ここは、正面から戦うしかない!

「これでどうだっ!!」

俺は襲い掛かってくるファルマーに土の魔法で応戦した。
土の魔法は、オブリビオンから砂利や土、岩石などを召喚し、撃ち出す魔法だ。
盾などで防ぐことはできるが、他の属性魔法と比べて質量が段違いに多いので、体勢を崩すのに役立つのだ。

「ギッ…!? グァ…!?」
「もらったぁッ!!」

打ち付ける砂利の圧力に耐えきれなくなったファルマーが、狙い通りに体勢を崩す。
そこへ、なだれ込んできたリュシアンの強烈な一撃が炸裂した!
奥から遅れて援軍がやってきたが、こちらもサーシャとフロッグの援護によって一蹴することができた。

「ゲゲ…こいつら、武器にも毒をしこんでやがる…!」

フロッグが倒れたファルマーの武器を調べたところ、武器にも毒が仕込まれていることがわかった。
毒の成分は、シャウラスの毒と同じ体力減退の毒だ。
つまり、ここではどんな小さな傷でも致命傷になりかねないということになる。

「くそ…こんなことなら、毒耐性の付呪をした防具でも用意しておけばよかったなぁ…」
「まったくだ。 奴らの攻撃を全て避けるしかないな…」
「私とフロッグくんで、できるだけ二人に近付けさせないようにするわ。
 セオラングにも、護衛に専念してもらいましょう」

戦いの場では、準備不足や不完全な状態で戦わなければならないことはよくあることだ。
厳しい状況ではあるが、こういう時こそ知恵を働かせなければ…!
俺たちは作戦を練り直し、周囲への警戒を強めながら先へ進んだ。

04土の魔法











「なんだ…? ここは…?」

テントの部屋の奥へと進むと、そこは広い空間になっていた。
入るなり目に入ったのは、柵で囲われた生け簀のような場所だ。

「おい、あれ! …シャウラス!?」

フロッグが指さした先にいたのはシャウラスだった。 柵の中をゆっくりと移動しているのが見えた。
まさかここは…シャウラスの生け簀
ファルマーは、シャウラスを飼いならし、育てているとでも言うのか?

05シャウラスの生け簀

「むっ? あれは人か!?」

リュシアンが生け簀の傍らに人の姿を見つけた。 体型からして男性のようだ。
だがその男性は、石の台座の上に横たわったまま…動かない。
気を失っているのか、それとも…

「!? まずい! シャウラスが!!」

なんと、台座に横たわる男性に、シャウラスが襲い掛かろうとしていた!
くそ! この距離では…剣も魔法も間に合わない!!

06あれは人か!?

「私に任せて!」

その状況に即座に反応したサーシャが弓を構えた。
彼女の正確な狙撃なら間に合うかも知れない!

ヒュ…ッ ガッ!! 

「ギギィッ!?」

やった! サーシャが放った矢は、シャウラスの背中を見事に射抜いた!
甲殻の狭間を貫かれたシャウラスが、激痛にもだえ苦しむ。

「ヨシッ! 俺もっ!!」

一瞬遅れて、フロッグもクロスボウを構え、続け様に連射する。
二人の連続射撃を受け、シャウラスは生け簀に沈んだ。

「やったわ! さあ、あの人を助けましょう!」
「奥からファルマーが来るぞ! 気をつけろ!!」

騒ぎに気付いたのか、奥からファルマーが続々と現れる。
奴らには強力な毒がある。 正面から戦ったら危険だ!
俺たちは作戦通りに陣形を組むと、ファルマーの一団と激突した!

07狙撃











ズバッ!!

「グ…カカ…」

最後に残ったファルマーが、鮮血を吹き出して倒れた。
俺は明王をゆっくりと鞘に納め、一息、息を吐く。

「フゥ…こいつで最後だ…!」

周囲を見回すと、ここには先ほどの怪しげな形状のテントがいくつも建てられていた。
中には調理場らしきものも確認できる。
どうやらこの場所は、奴らの居住エリアのようだ。

「予想はしていたが…ファルマーには、道具や家具を作る文化があるんだな…。
 やっぱり、ゴブリンや巨人みたいな『人に近い生物』なのか…」

俺のファルマーに関する知識は乏しいが、彼らの生態については未だ謎が多いと聞いている。
興味深い連中ではあるが、その危険度は巨人よりも遥かに高そうだ。

ともあれ、これで一応の安全は確保できた。
先ほど、生け簀で見つけた男性が気がかりだ。 急いで治療してやらないと…!

08こいつで最後だ…!











「…だめだ、もう死んでる…」
「そんな…間に合わなかったの…?」


生け簀に戻り、石の台座に横たわっていた男性に元へ駆けつけた俺たちだったが…残念ながら、彼は既に息絶えていた。
体の様子からして、彼は死んでから結構経ってる。
サーシャが彼を助けた時、彼はもう死んでいたのだろう。

「もう少し、早くここへ来ていたら…」
「私たちは最善を尽くしたんだ。 それでも間に合わないなら、どうしようもない。
 …サーシャが気に病むことはないよ」
「…うん」

肩を落とすサーシャをリュシアンが優しく励ました。

彼のことは残念だったが、他に生存者がいるかもしれない。 一人でも多く、助け出さなければ!
俺たちは、手分けして生存者を探すことにした。

09もう死んでる…

「ところでサ…この気色悪い塊、一体何なん?
 こっちの青いのは、シャウラスの卵だってのはわかるけど…このデカイのは…?」

フロッグが指さしたそれは、大きな…気色の悪い外観の『塊』だった。
先ほどから俺も気になっていたのだが…?

「…! これ、動いてる! 生きてるわ!!」
「何だって?」


サーシャが、謎の『塊』が動いていることに気が付いた。
よく見ると、塊の一部が脈動するように動いている。

「ヒェェッ!? 生き物なんかコレ!!?」
「シャウラスの卵じゃないとしたら…こいつは一体…?
 クモやシャウラス以外に、まだ何かいるのか!?」

少なくとも、これはシャウラスの卵と別物であることは間違いない。
先ほどフロッグが言ったように、シャウラスの卵は青い球体で、卵嚢に包まれた状態で産み落とされるらしい。
この生け簀にある青く光る物体が、まさに卵嚢に包まれたシャウラスの卵だ。

「ひぃぃ…マジかよ! も、もう帰りたい…」

洞窟の入口近くにいたフロスト・スパイダーでもなく、シャウラスでもない。
もちろん、ファルマーでもないだろう。
危険なものだとすれば、この場で駆除しておくべきだが…この奇怪な肉塊の正体は、一体…?

10気色悪い塊

ドパァッ!!

「うわっ!!? な、なん…!!?」

様子をうかがう俺の目の前で、突然、不快な音を立てて肉塊が破裂した!
肉塊を突き破って、気色の悪い液体をまき散らしながら現れたのは…巨大な羽虫だった!!

「ギィィィィッ!!」


「ギャーッ!? な、なんだコイツ!?」
「シャウラスの…成虫!?」

バカな! シャウラスは、あの硬く大きな甲殻をした、地を這う大型の虫のはずだ。
このような変態をするなど、聞いたこともない!

11巨大な羽虫

「ギィッ! ギィィィッ!!!」
「うぉっ!?」

羽虫は目の前にいた俺を無視して、俺のすぐ後ろにいたリュシアンに襲い掛かった!
先ほどまで戦っていたシャウラスとは比べ物にならない速さだ!

「くっ…!? コイツ、さっきのヤツより力が強いぞ!?」

リュシアンは不意を突かれたが、何とか攻撃を防いでいた。
羽虫は鋭い牙でリュシアンの大剣に噛みついている。
アゴの力はすさまじく、剣をへし折らんばかりの勢いだ。

「くそッ! これでも…喰らえ!!」

ボゥッ!!!

俺は至近距離から火炎魔法を放った!
攻撃に夢中な羽虫は俺の攻撃に対応できず、炎をまともに受ける。
瞬く間に羽虫の体が炎に包まれた!

「ギィィィッ!!?」
「…い、ま、だーッ!!」

ズバアッ!!!

12シャウラス・ハンター

「ふぅ…危なかった…! 助かったぞ、シン!」
「へへ…これでさっきの借りは返せたな!
 それにしても、この羽虫は一体…?」
「…おそらく、こいつは『シャウラス・ハンター』というやつだ。 私も初めて見たよ」

シャウラス・ハンター! こいつが…!?
そういえば、最近出回るようになった錬金素材に『シャウラス・ハンターの触覚』というものがあった。
あれは、こいつの触覚だったのか…!
よく見ると、甲殻がシャウラスとよく似てる…。 近縁種ってことなのかも知れない。

こんな危険なものを放ってはおけない。
俺たちは、肉塊と卵を全て潰しておくことにした。











「だめだわ…こっちの女性も…」
「くそ…! みんな死んじまってる…!!」


ファルマーのテントの周辺を探ると、垣根に囲まれた場所に人が倒れているのを見つけた。
俺たちは大急ぎで生存者を探したが…そこで見つけた人たちは、全員死んでいた…。

「この女性、両目を潰されている…」
「なんてひどい…」

遺体のほとんどは両目を潰されていた。 
おそらく、逃げられないように視力を奪ったのだろう。
目の見えない状態で命の危機に晒されるなんて…気が狂うほど、恐ろしかっただろうに…。

「…この人、何か握ってる…? アッ! こ、こいつは…!」
「フロッグ、どうした? 何か見つけたのか?」

遺体を調べていたフロッグが、男性が手に何かを隠し持っていることに気が付いた。

「この人、死ぬ前に遺書を残してたみたいだ…」

13遺書

『奴らは日暮れとともにやってきた。 それも凄い数で。
 キャラバンの護衛たちはあっという間に倒されてしまった。
 彼らは1人残さず我々を檻へと押し込んだ。
 反撃を試みた者もいたが…奴らは思いのほか強く、殺されるか、視力を奪われた。

 彼らは我々を1人ずつ連れ出して行く…おそらく怪物の餌にするためだ。
 私に残された時間はもう長くない。
 愛するエイディスよ、もしこの手紙を手にしたら、私を許してほしい。

 フィーリル』

破れたメモには、彼の悍ましい体験と、愛する人への最後の言葉が書かれていた。
俺は彼の遺書を預かると、彼らの遺体をアーケイの炎で弔った。











「…! お前がここの親玉かい?」
「グギギ…ギァッ!!」

洞窟には、さらに奥へと続く道があった。
通路を進んだ先にあったのは、円柱状の空間。
祭壇のような台座があり、そこには血まみれの男性が横たわっている。

俺はそこで、ファルマーの魔術師と対峙していた。

「お前らにも何らかの伝統や文化ってのがあるのかもしれんが…そいつを尊重するわけにはいかないんだよ。
 …潰させてもらうぜッ!!

俺は、既に息絶えた男性に一瞬目をやると、明王を握る手に力を込めた。

14親玉

ファルマーの魔術師は、剣を召喚して向かってきた。
胸糞悪いことに、俺と同じように剣と魔法を同時に使う魔法戦士だ。
これまで戦ったファルマーとは明らかに動きが違い、こいつが親玉であることが明確にわかった。

親玉は配下と思われるファルマーを従えながら俺に襲い掛かってくるが、俺たちだってチーム戦なら負けやしない。
サーシャとフロッグの援護射撃で配下を近づけないようにしつつ、俺とリュシアンの二人がかりで親玉に立ち向かった。

「ウーッ! ワンッ!!」
「ギギッ!?」

的確な射撃を何とかかいくぐろうとする配下のファルマーを、セオラングが突撃して押し戻す。
毒を持ったファルマーに接近するのは危険だが、セオラングは深追いしないよう、一撃離脱を繰り返して対応していた。
セオラングは本当に賢い犬だ。 後で褒めてやらないとな。

「うおりゃぁぁぁぁーッ!!」
「でぇぇぇぇぇぇーぃッ!!」


俺とリュシアンの剣が、親玉を徐々に押していく。
いかに幾人もの配下を従える親玉といっても、俺たち二人を同時に相手にするのは無謀というものだ。

「…遅いッ!」

バリィンッ!

明王の一閃が、親玉が纏っていた魔法の障壁を打ち砕いた!
防御の要を失った親玉は、よろめきながら後ずさる。

「もらったぁぁぁーッ!!」

ズバァンッ!!!

15一刀両断

リュシアンの渾身の一撃が、親玉の胴体を一刀両断する。
半身が転げ落ちた親玉の体は、脚のついた半身だけが、立ったままその場に残った。

配下のファルマーたちも、間もなく一掃。
ファルマーの一団を全滅させた俺たちは、洞窟内のシャウラスの卵などを念入りに始末した後、洞窟を後にした。











「結局、一人も助けられなかったな…」
「クーン…」

セオラングが、寂しそうに鼻を鳴らす。
洞窟を出た俺たちは、冒険者たちが寝泊まりしていたキャンプの近くに、彼らの墓を建ててやった。
彼らが所持していた剣を墓標代わりにしただけのものだが…何もないよりは幾分マシだろう。

「彼らは、この街道を行く人々のために、怪物に立ち向かった。
 両目を潰されても、生きたまま喰われると知っても、抵抗を続けた。
 …彼らは、最後の瞬間まで、勇敢に戦い抜いたんだ…!!」
「そうね…立派な人たちだったわ…」

リュシアンは涙ぐむサーシャの肩を抱き寄せた。
危険を顧みず、人々のために立ち上がった勇気ある者たちの悲劇を想い、リュシアンも涙を堪えていた。

「俺は司祭じゃないんでね…簡単な形式ですまない。
 だが…もう二度と、あんたたちの遺体が弄ばれることはないよ。
 アーケイの聖なる炎が、あんたたちを守ってくれる。  あんたたちが逝くべきところへ、魂を導いてくれるはずだ」
「ヒストの導きだって、きっとあるからな…!」

「安らかに…眠ってください…」

彼らの勇気と尊い犠牲によって、この街道の脅威は取り除かれた。
俺たちは、彼らに神々の加護があるようにと、祈るのだった。

16安らかに…

ありがとう…

どこからか、そんな声が聞こえた気がした。
炎が遺体を焼き、魂をエセリウスへと導いていく。
立ち昇る煙を見上げながら、俺はドラゴン・ブリッジへ続く道を歩きだした。














次回予告
第21話 確保! カニとジャイロと、探し人。

17次回予告:確保!
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テーマ:Skyrim - ジャンル:ゲーム

  1. 2016/07/24(日) 04:21:12|
  2. スカイリムRP シン
  3. | コメント:6
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コメント

ええ、やられましたとも。
シャウラスのゲロ毒液を喰らって死にかけました。A;´Д`)``

改めて、シャウラスとファルマーの毒攻撃コンボの恐ろしさを実感したプレイでした。
寒さ対策を急ぐあまり、毒対策をすっかり忘れていたため、毒を喰らった直後に体力がぎゅんぎゅん減っていく恐怖に苛まれることにw
実際には解毒薬を所持しておらず、回復薬がぶ飲みで何とかやり過ごしました。 マジやばかった(´・ω・`)
皆さんも、ヤツらと戦う時は毒対策を忘れずに!

そんなこんなで、何とか冷風ヶ淵をクリア。
これで街道の治安は良くなりましたが、犠牲者が多数出たのは間違いないですね。
とりあえず言いたいのは『ソリチュード、仕事しろ』でしょうか。(#^ω^)
いつか、エリシフさんにお説教をしにいかなければ…!

ともあれ、これでソリーヌ・シュラウドの捜索に戻ることができます。
数日前にドラゴン・ブリッジを出たという彼女を追って、リーチの山奥へと進む男二人。
彼らは無事にソリーヌ・シュラルドを見つけることができるのでしょうか?
乞うご期待です。d(>ω<*)+


【追伸】
なんか最近、魔法や毒を喰らうと『シールド魔法を破られたときの音+強怯み』が必ず発生するようになりました。
放射系の魔法を喰らうと連続で強怯みが発生し、動けないまま死にかけることもしばしばあります。

アクション性がやや乏しいスカイリムでは、某竜でも災厄でも狩っちゃうハンターのような華麗な回避は難しいです。
某サムライゲームの一撃死モードみたいに、敵の攻撃全部回避しろってのか!?( ゚∀゚)・∵. ガハッ!!

この現象、一体何なのでしょう?
誰か教えて!。゚(゚´Д`゚)゚。
  1. 2016/07/24(日) 04:50:55 |
  2. URL |
  3. シン #JalddpaA
  4. [ 編集 ]

更新お疲れ様です!
戦闘シーン、躍動感があり想像しやすい文章で、面白く読ませていただきました!

いやー、この洞窟恐ろしいですよね;シャウラス毒の体力の減りはホントすごいですよね…怖くて近寄れませんw

しかし、今回、襲われた人達を助けることは出来ませんでしたが(TESでよくあること)其れでも4人それぞれが協力し合って無事、親玉を無事、倒すことが出来てよかったです(* ゚Д゚)

リュシアンとシン君は物理と魔法でなかなか息の合ったコンビネーションですね、サーシャさんは弓の腕が立つ場面を用意していただいて嬉しいです(*゚Д゚*) おっと、フロッグサンの罠解除の技やサポート力も忘れちゃならないですねw

余談ですが、はじめてリュシアンをフォロワー化して、サーシャさんと二人でこの洞窟で探検したことを思い出しましたw
キノコ畑ってちゃんと籠もあって面白いロケーションですよねw(サーシャさんのキノコ好き設定はここから始まったかもしれません)
  1. 2016/07/25(月) 22:17:47 |
  2. URL |
  3. kuromimi #-
  4. [ 編集 ]

Re: kuromimi さん

お褒めいただき光栄です!
私の文章で楽しんでくださったのなら、こんなに嬉しいことはありません!d(>ω<*)+

この探索は、とにかく毒との戦いでした。
ちょっと喰らっただけで体力がどんどん削られていくので、毒耐性防具がないことを本当に悔やみましたヾ(;´▽`A``
こういう時は、アーセランくんの毒耐性が羨ましいですねw

今回の冒険で特に力を入れたのが、それぞれのキャラの特性を活かすことでした。
リュシアンがシャウラスの頭を鷲掴みにして叩きつけるシーンは、リュシアンの戦いを想像した時に自然に湧き出てきた描写でした!
全員が個性的な能力を満遍なく描くことができたので、そこについては自画自賛ですw

そしてまさかの事実。
サーシャさんのキノコ好きの原点がこの洞窟だったとは!ヾ(;´▽`A``
奇妙な縁ですね? フフーフw
  1. 2016/07/26(火) 03:34:48 |
  2. URL |
  3. シン #JalddpaA
  4. [ 編集 ]

お疲れ様でした。
地底の闇に潜む脅威との遭遇戦、なかなかに見応えがありました。
次回はTESのアイドル生物が一角、マッドクラブとお目見えできそうで楽しみにしています。

UESPだと、普段のシャウラスは幼虫形態、ハンターは蛹と成虫だそうです。
私はカイコと同じように、幼虫の段階でファルメルに屠殺されて加工されて
繁殖用の少数の固体しか生き残れないから、今までいなかったのかなと考えていました。

ですが、この世界線だと近縁種だと推測されていて面白いと思いました。
普段見かけるのはファルメルに家畜化されたネオテニー(幼態成熟)で、
こっちは野生の原種に近いのかもしれません。

そこから、ロードス島戦記で風と炎の砂漠に生息する「砂走り」を連想しました。
あれも、生息地が砂漠になったせいで成虫になれず、そのまま巨大化した羽虫の幼虫です。
2巻で水と大地の精霊力が戻り、緑化が進んだ新2巻で遂に、約500年ぶりに成虫になりました。

それでは、"Shadow hide you."
  1. 2016/07/28(木) 21:44:33 |
  2. URL |
  3. 隠密100の放浪者 #dvQckJnQ
  4. [ 編集 ]

吸血鬼たちの繋がりと想像

彼が知りたがっていたのは東スカイリムの吸血鬼のことだった。
私は最強の種族である執念深くて残虐なヴォルキハーのことを教えてやった。

著者不明 『不死の血』


ここで、ちょっとここで面白い情報を提供します。

ファルクリースのクエストで、「ブラッドレットの玉座」に居座る吸血鬼ヴィグハール
モーサルのサイドクエスト、『埋葬』の大ボスであるモヴァルス

奴らはレベルが高いと、吸血鬼長ヴォルキハルになります。
そう、あのヴァンパイアロードの城の名前にもある、skyrim最強の血族の名を冠する者達です。

もしかしたら、一族の長たるハルコンと繋がりがあるのでは!?とも考えられます。
そうでなくとも、ダウンガードとしての活動を描写する上で格好の吸血鬼退治クエストです。
シナリオのネタにぜひどうぞ
  1. 2016/07/28(木) 23:23:28 |
  2. URL |
  3. 隠密100の放浪者 #dvQckJnQ
  4. [ 編集 ]

Re: 隠密100の放浪者 さん

どうにか終わりました。やはりやつらの毒攻撃は脅威ですねヾ(;´▽`A``
危うくシャウラスの晩御飯になるところでした。

ここでのハンターは、シャウラスとは別の生き物という設定にしています。
特定の条件を満たしたシャウラスを苗床として、ハンターが生まれるといった感じです。
ハンターが生まれることができる条件は、シャウラスが生きている間にその条件を満たしている必要があります。
その「条件」が何なのかは、野生のシャウラスと飼いシャウラスの違いを考えると見えてきます。考えてみてくださいね^^

ロードスにも面白い生物がいましたね。こういった異世界の生物の生態を考えるのは楽しいです^^
この世界のシャウラス、そしてハンターの細かな生態は、後々暴いていこうと思います。
シャウラスマニアな研究者キャラとか作って、熱く語らせてみると面白いかもしれませんねw

吸血鬼が関わるクエストはいくつかあるので、それらは積極的にプレイしたいですね!d(>ω<*)+
ヴォルキハル一族の傘下となってヴォルキハルを名乗っているとか、一族の末端であるとか、様々な形でハルコン卿の影響力を描けそうです。
タムリエルの吸血病は100種以上あり、吸血鬼の一族や地域によって違うそうですから、それらを踏まえて、いろいろな吸血鬼を登場させたいですね。
吸血鬼フォロワーさんは結構いるので、この設定を活用して面白いお話しを考えてみます!

さて、次回はカニさん登場。何気に私も、マッドクラブは好きです。
ジャイロを巡る戦いを、どうぞお楽しみにw


【追伸】
カニを食いたくなってきました。
ビンボー貴族な私は、もう何年も…クッ・゚・(つД`)・゚・
  1. 2016/07/30(土) 20:42:34 |
  2. URL |
  3. シン #JalddpaA
  4. [ 編集 ]

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